モントリオール・カナディアンズ対カロライナ・ハリケーンズ(2007年12月8日)

体験談:

体験日時 : 2007年12月8日

体験者 : 三好

今夜未明、ノースカロライナ州で発生した最大級の『ハリケーンズ』が極寒の地モントリオールへ上陸した!!

前夜同様に底冷えのする厳寒だった。白い吐息が一層寒さを感じさせる。それとは裏腹に、開場前から正面ゲートに集まるファンは熱気をおびていた。一様にみんなカナディアンズのジャージ、グッズを身に着けた姿は明らかに昨日のボクシングとは意気込みが違っていた。誰が何と言おうとカナディアンズは彼らの誇りなのだ。

正面ゲートの横から明るい照明が洩れていた。グッズショッブだった。アルプスでの遭難者のように暖を求めて入って行く。(お?ラッキー!これで開場まで時間稼ぎができるぞ。みんな考えることは同じだなぁ?)
やはり本番の店は商品の種類が豊富だ。ゆっく?りゆっく?りと見て回った後、友人へのお土産にマグカップを購入した。そのまま店内にいるのは罪悪感を覚えて外へ。(お?寒ぅ?。未だかよぉ…もう一度、店に入ろうかな)

お?我が家に帰ってきたようだぁ、と感じたのは場内に入ったからだ。売店前は人人人で溢れている。歩くのさえ困難な程だ。ビールを飲みホットドッグを食べ、みんなで前景気をつけるため盛り上がっていた。

前日、ボックスオフィスで購入したチケットは88.58C$(カナダドル)だった。早速、人混みの間を縫うようにして向かった席は「SEC-117 ROW-W SEAT-5」一階席の一番後ろでゴールが右斜め下に見える。振り向くと、その後方はスイート。(ん?間違いなくスイートで見れることは無いだろうな…)
席に着いて驚いた…というより現代の技術に感嘆したというほうがピッタリかな。今、目の前にはアイスリンクが広がっているが、昨日は同じ場所にボクシングのリングがあったのだ!それは動かし難い事実である。どんな技術を駆使して一昼夜にこのような転換が可能なのか、まるでマジックを見せられてるようだった。

本場カナダで初めて見るNHLが名門カナディアンズというのは幸運と言わざるをえない。これほど栄光に燦然と輝くチームは他にないからだ。MLBのワールドシリーズにあたるスタンレーカップに優勝すること24回!断トツの1位だ。あの宿敵メープルリーフでさえ13回なのだから。もはや伝説のチームである。その証明にアリーナの天井を見上げれば歴然である。数々の優勝旗に加えてカナディアンズの礎を築いたヒーローたちの永久欠番によって彩られている。(お?ヤンキースに匹敵するんじゃないか…すげぇなぁ)改めて伝統を感じる瞬間だった。

前日までカナディアンズは14勝14敗。対するハリケーンズは15勝14敗。と勝敗だけを見ると互角か…
目の前では試合前の練習が続いている。最大の懸念はパックが見えるのかということだった。(お、な?んだ意外にパックが見えるな)リンクを滑る際に「シャー、シャー」と響いてくるのが、なんとも心地好かった。(あのスケートしながら小さいパックをスティックで巧みに操ってパスるのなんて鮮やかなもんだ!かっこいいなぁ)
練習を終え選手が引き揚げて行くので試合開始が近いのを予感させた。場内の照明が消えリンク一面に浮かび上がってきた沢山の顔。恐らくはカナディアンズに貢献した関係者、選手なのであろう。(こういったところにもチームの伝統を大切にしてるのが分かるなぁ?)

場内を見渡すとギッシリと埋まっている。昨日は空席が見られた最上階まで満員だ。まさに立錐の余地もない…やはりホッケーはカナダの国技なのだ。
やがて選手が軽快に滑り出してきた!選手が各ポジションに着く。試合開始を告げる前の一瞬の静寂。合図とともにパックを取り合う両軍の攻防。(うわっ…練習とは全くスピードが違うじゃん。弾丸ライナーどころじゃないよ…お、パックが消えたよ。どど、何処なんだ???)フェンスを伝っていつの間にか反対側に突如現れた。その時だった…『ドスンッ!』パックを奪うための体当りだ。その衝撃は振動する透明フェンスにも見て取れた。(いやはや…あのタックルを喰ったら堪ったもんじゃないなぁ…『ドスンッ』『ドスンッ』マジで奴らはタフだな)

それは一瞬だった…ようだ。ゴール前でハリケーンズの選手たちが両腕を突き上げて喜びあっている。中盤にパワープレイから又してもハリケーンズがゴール。(ん?パックを追うのに精一杯で、何がどうなったのか見えなかったよぉ…いかん、もっとカッチリ目を見開いてなきゃ。と焦るうちに第1ピリオドが終わってしまったよ…トホホ、ホ)

第2ピリオド開始いきなりだった。これぞ正にNHLの代名詞『氷上の格闘技!』(お?乱闘だぁ?!!あ、ヤバイ写真撮んなきゃ…しまった、もう少しアップにしよう。あ、今度はデカ過ぎた…あららら、終わってしもたぁ)怖いことを言うようだが試合中もっとも興奮したのはこの場面だったかも…
カナディアンズが中盤に反撃の狼煙かと思わせるゴールを挙げた!欲求不満に陥ってたファンは誰もが歓喜に酔いしれていた。(お?良くは見えなかったがカナディアンズのゴールらしいぞぉ?!!そうこなくっちゃ。同点になりゃ面白い展開になるんだが)しかしその直後、更に第2ピリオド終了間際にゴールされ1-4となった…喜びも束の間、落胆が広がっていた。

期待を裏切られるように第3ピリオド、ハリケーンズが追加点。中盤にハリケーンズが二人欠けたペナルティでカナディアンズのパワープレイが始まった。だが絶望的なほどゴールが遠い…その日のカナディアンズを象徴ってるような光景だった。そのパワープレイで得点が入らないのを見て続々とファンは出口へと向かい始めた。人々の口からポツリポツリと「次だ、次があるさ…」と聞こえてくるようだ。1-5と大敗だった…(残念…あ?計6ゴールのうち、しっかり見えたのは1回だけだったなぁ…初めてとはそんなもんなんだろうか。仮に昨日のように点ん付けるとしたら3かな…カナディアンズも負けたことだし)
モントリオールに来襲したハリケーンはますます勢力を発達し、暴れまくって去った。(お?寒っ寒っ…明日は東京だ)
 

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