朝6時半から並んで開幕戦当日券GET!

体験談:

体験日時 : 2007年4月9日

体験者 : 岡崎 悟

レッドソックス開幕戦映画「二番目のキス」(原題 FEVER PITCH)の中で主人公のベン(ジミー・ファレル)がヒロインのベンジー(ドリュー・バリモア)にレッドソックスの開幕戦への観戦を誘うシーンがある。

映画のワンシーンにも使われる程の貴重な試合。それがフェンウェイパークの開幕戦だ。

レッドソックスのレギュラーシーズンの中でも最もチケットが取りにくい試合のひとつといっても過言ではない。

自分にとっては今回の旅行のメインは松坂投手のフェンウェイパークデビュー戦であった為、
松坂投手の登板予定日のチケットをまず手配し予算の折り合いがつけば開幕戦のチケットも購入を考えていたのだが、
レッドソックスネーション(熱狂的レッドソックスファン)にとって「生観戦は1生に1度」ともいわれる貴重な試合。
やはり値段もプレミア価格。

今回は開幕戦の生観戦は諦めボストンへ向かったのだった。
ここで、購入を諦めた事が、後々最高の結果をもたらすとはその時は夢にも思わなかった。

ボストン入りが開幕戦前日の4月9日。
滞在先はフェンウェイパークへ徒歩圏内のユースホステル。
チェックインしお土産の物色を兼ねてすぐにフェンウェイ詣で。

ここで松坂の練習の取材を終えた日本、米国のプレスの方を見つけたので声をかけてみた。
「翌日の開幕戦のチケットを持っていないがなんとかして観戦できないか?」と尋ねるも二人とも 
「開幕戦のチケットが今から買える訳がない。」と同じ返答。

ユースのフロントでも同じ返事をもらっていたので「絶望」の二文字が頭をよぎり始めフェンウェイを後にしようとすると
チケット売り場の横にテントを設営して談笑をしているファンらしき人達がいるではないか。
早速近寄り話をすると「どうやら当日券が発売されるかもしれない。」との事。

フェンウェイの開幕戦に当日券???

半信半疑な気持ちを抱きながらユースホステルに戻り日本のチケット手配業者の知人に当日券売りの可能性をメールで尋ねると
「地元のファンが前日から並ぶくらいだから当日券売りは濃厚であろう」 との返事。
この返事で翌日早朝から列に並ぶ事を決意。
翌朝、朝6時に起床し身支度は素早く終え朝6時半に、球場に到着すると
極寒のフェンウェイパークには平日14:00の試合開始にも関わらず、 徹夜組を含めて100人前後の長蛇の列。

こんなに当日券がでるのであろうかとの不安もあったが自分の後に続々と当日券を求めるファンがやってくるので不安も解消。

当日券の発売を待つ間の地元ファンとの交流も楽しい思い出。
前のファンは自分が観戦したフェンウェイのゲームの試合は全部、スコアをつけているらしく
過去の思い出の試合をひとつづつ説明してくれたり
往年の名選手のエピソードなども教えてくれた。

レッドソックス開幕戦2後ろの女性はボストンのロゴ入りメガネをかけた方(笑)
彼女の風貌にメディアの方も興味を抱いたらしく彼女はインタビューも受けていた。
彼女には松坂や岡島の事を聞かれたり日本の野球についての質問。

やはり同じ話題があると話も盛り上がる。

また並んでいる間にはボストンの地元ラジオ局の生放送にも出演。
日本語で「GO!REDSOX」と言ってくれとの希望だったので大声で「行けえ!!レッドソックス」と叫ぶ。

他にもこの日は開幕ということで色々な企業のプロモーションがあり
T-シャツや年間のマグネットスケジュールを配布。
タダで様々な物を手に入れる。
これも長時間待った自分へのご褒美だ。

結局5時間半の長時間の待ち時間も飽きることなく待つことができた。

12時になり当日券の発売が開始され自分の順番になり窓口にたどり着くと前後のファンと互いにガッツポーズ。

窓口のお姉さんに
「何時から並んだの?」と質問され
「6時半」と答えると窓口のお姉さんはただただ呆れ顔。

お姉さんに予算を聞かれベストシートの購入を希望すると105ドルの席を用意してくれた。

お姉さんは最後に「Enjoy the game!」と長時間の待ち時間の疲れが吹き飛ぶ言葉をかけてくれた。

レッドソックス開幕戦3105ドルの座席ということで良席への多少の期待を抱いて球場内を足早に座席に向かうと
段々とホームプレートに近づいてくるではないか。

そう。
当日5時間半待って購入した105ドルの座席はフィールドボックスというバックネット裏の席!!!

その最高の座席から見たホームオープナーセレモニーでの両軍の選手紹介。
 
グリーンモンスターに掲げられた星条旗。
松坂紹介時のボストニアンへの彼への収まることのない拍手。
往年の名選手達による始球式。
試合でもベケットのイチローからの3連続奪三振。
ドネリーの城島への死球での乱闘劇。
普段見ることができないシーンを見ることができた。

一度は諦めかけたフェンウェイの開幕戦。

様々な幸運が重なって観戦できた試合であっただけに
自分の観戦した試合でのベストゲームとひとつとして
自分史に残るゲームとなるであろう。

 

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