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ボクシング観戦記

アルシン写真

会場で配布されたパンフレット

プロフィール

観戦人:三好
プロフィール
93年をスタートにアメリカを始めイギリスやオーストラリア、アルゼンチン、南アフリカなど五大陸へボクシングの世界戦を観戦のため遠征。
特に『Golden Boy』デラホーヤと『Real Deal』ホリフィールドのファン。
現地観戦ベストバウトは『タイソン×ホリフィールド第一戦』!
今回のイベント
イベント名 ジョアシム・アルシン対アルフォンソ・モスケラ
開催日 2007年12月7日午後7時
会場名 モントリオール センターベル
見た席 SEC:115 ROW:FF
チケット代 100ドル

ジョアシム・アルシン観戦記

12月ともなるとカナダ、モントリオールの夜はとにかく寒い。およそ-13℃。吐く息は白く、冷え込みのために耳は痛い。

開場時間である18時に合わせて会場サーントゥル・ベルの正面ゲートに行ってみるが、予定の時間になっても開場しないのが海外のアバウトさ…を痛感。みんな寒さを堪え、ひたすら待つばかり。(トホホ、ホ…)やっぱり手袋は必要でした。その場でいくら後悔しても後の祭りだが。(お〜寒いよぉ〜)ドア越しに中を覗くと準備は整って見えるのに何が不足なのやら、全くもって不可解。(いつまでジラすんだよぉ〜)
果てしなく感じられた約30分後にゲートは開いた。チケットを差し出しセキュリティを通り場内に足を踏み入れた途端に身も心も全てが緩んでいった…それほど暖かった。

先ずはいつものようにグッズ売り場を探して歩いた。そこにはプログラムやトレーナーにTシャツ、マスコットグローブ、帽子などが並べられていた。その中から25C$(カナダドル)の記念Tシャツを購入した。MサイズがなくLではあったが意外に小さく自分にちょうどいいくらいだった。

購入したチケットは100C$。さて、目指す自分の席はというと「SEC-115 ROW-FF SEAT-13」一階席の前から6列目だった。弱冠席が低い位置にあるため、ロープが邪魔になり見え辛そうだった…更に後で分かるのだが最大の障害は他にあった。
席は一階席、中段、最上階の3層からなっていたが、一階席後方にあるスイートを入れると実際は4層となり大きな会場だった…その最上階席にもお客さんが入っていたのには少なからず驚いた。もっと驚かされたのはアリーナ席だ。リングサイドにはディナーテーブルが並んでいるではないか…食事をしながらボクシングを見るなど、日本では決して有り得ない光景だ。アリーナの後方ではコックが調理するためのテーブルも設置されているほどだ。それらを見ているだけで腹が減ってくるよなぁ。なので出発前に差し入れてもらったカロリーメイトをボリボリ…(どうもありがとうございました〜)

この日は世界戦も含めて計7試合。前座で4回戦が2試合、8回戦が2試合、そしてカナダタイトル戦、北米タイトル戦が各々10回戦。メーンイベントが12回戦の世界タイトルマッチ!

最初の3試合は1R、2RでのKO決着と早く進み、続く2試合は判定までもつれた。この頃になるとファンで埋まり5〜6部の入りか、10000人前後だろうか。
隣に座った地元ファンは50過ぎくらいのおじさん。レストランのオーナーらしい。彼によると10月に開催された世界戦はもっと沢山入ってたそうだ。(前回も見に来たくらいだからボクシングが好きなんだな)

セミファイナルは北米タイトル戦、地元の王者ジャン・パスカル。場内の応援は凄まじくメーンの世界チャンプを凌ぐのではないかと思える程の人気だった。判定の末に全勝を守り防衛を果たした。近い将来、世界タイトル挑戦を予感させる。

さぁ、前座が全て終わり機は熟した。
最初に姿を現したのはパナマからの挑戦者『ハリケーン』アルフォンソ・モスケラ。ランキングは13位。と、突然場内の照明が全て消え暗闇に包まれた。すると奥に設置されていた数mはある高さのステージ後方から火花が大噴射!!思いもかけぬ演出にどよめくファンの中、火花の前に浮かぶシルエット…ハイチ史上初の(たぶん)世界チャンピオン『TI-JOA』ジョアシム・アルシン。両者がリング上に揃い緊張感が増してくる。中央にはカナダとパナマの国旗が揺らめいている。

リングアナウンサーからの要請に応じてお客さんが一斉に起立するとパナマの国歌斉唱が始まった。挑戦者は国歌を口ずさみながら上半身を小刻みに動かしていた。サッカーのようにボクシングも国民の期待、と共に国家の威信を賭けて闘うところがある。(モスケラの心中にもプレッシャーがあるだろうなぁ)
しかしアルシンにかかるプレッシャーは挑戦者以上にあるのかもしれない。何故ならば初防衛戦であると同時に、地元で闘うのだから…決して負ける訳にはいかないのだ。カナダの国歌を聞きながらチャンピオンには緊張感が窺える。リングアナによる両者の紹介の後、レフェリーによる試合への注意。向かい合う二人。お互いの目を凝視する目と目…そこにはもう何人たりとも立ち入れない二人だけの空間に火花が散っていた。
決戦を前に対峙する二人が特に対照的だったのは身長差…アルシンの方が15cmくらい高く見えた。(おいおい、な〜んかクラスが違うんじゃないのかぁ〜)両者がグローブをタッチし各陣営のコーナーに別れた。正にその瞬間、最大の障害に気が付いた…TV中継のクルーだ。カメラを肩に担いで常にリングサイドに立ち、視界を遮っていたのだ!(お〜い、お前だよっ。お前のせいで見えないんだよぉ〜)

ゴングが鳴った。
第1R早々から挑戦者モスケラが接近していった。(まぁ、ジャブを付かれて距離を保たれるとリーチの短いモスケラは圧倒的に不利だもんなぁ…当然の策かな)アルシンにとって序盤から挑戦者のホールドに苦しむフラストレーションの溜る展開が続いた…モスケラもホールドすることによってパンチを喰う危険性は回避できても自分も攻撃が難しいだろうになぁ。そのうえモスケラは利腕の右でホールドするから左しか使えない。逆にアルシンは左はホールドされても右はは自由自在だから構わずパンチを放つ。中盤も同じような展開が続いた。(アルシンも苦戦だなぁ…モスケラが直ぐにホールドしてくるのが分かってんだからさ、工夫できないもんかなぁ。ホールドを振りほどくパワーにちょっと欠けるなぁ…ん〜アルシン、先に仕掛けろよ〜。そうそうジャブを付いて…あ〜又ホールドか。あっカメラマン邪魔だよ、見えないぞ…頼むからどいてくれよ〜)そう、カメラマンと重なり死角となって見えない時はリング上のスクリーンを見上げたりと忙しかった…
モスケラをロープに詰めてアルシンの右ストレートから左のフックが炸裂し、最初のダウンを奪ったのは大詰めの12Rだった。立ち上がったモスケラに射ち放ったトドメの右ストレートで頭部が吹っ飛ばんばかりだった!(いやぁ、あれを喰っちゃ堪らんな…ヤバイよ。最後は見事なKOだった、万歳〜)KOタイムは12R、2:17だった。
待ちに待った豪快な一発で場内の興奮は最高潮。リング上では派手に紙吹雪が舞っていた。インタビューを受けるアルシンの表情にはプレッシャーから解放された安堵感が漂っていた。(おめでとう!アルシン)
ただ、試合の満足度でいくと、5点満点中3かな…いや、最後にKOしたから3.5だな。

こうして今宵、パナマから来襲した『ハリケーン』に討ち勝ったのだ。明日はカロライナから『ハリケーンズ』が来襲してくる!

試合のハイライト


会場のセンター・ベル。


寒いのになかなか開かない会場・・・・


アリーナには、テーブルが。食事をしながら観戦。


センターベルの中です。


試合開始!

 

 

このイベントの満足度

イベントの満足度:3つ星
接近してのクリンチが多くストレスが溜る試合だった…最後にKOしたのが救い。

会場の雰囲気:5つ星
地元チャンピオンへの熱い声援は凄かった!あれではチャンピオンは負けられない気持ちになると思うな。

会場へのアクセス:5つ星
ベル・センターの地下が地下鉄の駅になってるので、とても便利。

ひとくちアドバイス
チケットに表示されてる開場時間よりゆとりを持って行った方がベターかな。試合開始時間に間に合う程度に…